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はるかかなた

はるか と かなた

は いつも隣りにいて

背中合わせで遠くを見ている。


はるかの見える景色は かなたには見えない

かなたの見える景色は はるかには見えない。


ただその日、

かなたが泣いているのは

背中から伝わってきて 気がついた。

でも はるかは そのわけを聞こうとはしなかった。


お互い ただ背中がくっついているだけ

会話をすることはない。


毎日 夕方の

太陽が沈むのと 星空が現れるのを

それぞれに見ていた はるかとかなた。


その日

かなたが去るのを

見守るだけでいいのか

はるかは悩み 一番星を見上げて初めて泣いた。


風が海に向かって吹き込む

波は変わらず呼吸する。


刹那

はるかとかなたは

初めて振り返って

手を取り合った。
| ある少年の旅物語 | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
雪男

孤独では生きていけない雪男。

足の裏に陽気な模様をこしらえて

ノコノコと歩いてみたはいいが

雪が積もらなきゃ

ただの男で、足跡も残らん。

さぁ雪を降らせましょう

朝も
昼も
夜も。

孤独では行きていけない雪男

初めの一歩。
| ある少年の旅物語 | 23:55 | comments(0) | trackbacks(0) |
楽園

人に見つかるわけにはいかない。

僕らは決めたんだ。

例え、日を全身に浴びられずとも、
例え、祝福も歓迎もされずとも、

静かなこの場所で生きていくことを。


この鉄格子の部屋が僕らの楽園。

いまはそれでいい。

いまは。
| ある少年の旅物語 | 23:55 | comments(0) | trackbacks(0) |
心解け

そう

長く眠っていたのかもしれないし

一瞬目を閉じていただけかもしれない。


でも、僕の目の前には
見たことのない景色が広がっていたから

時間がずっとたっていたのだと

しばらくたってから気がついた。


ドーンと重苦しい白い塊が

ゆっくりと輪郭を後退させていく

それとともに僕は身体の感覚を思い出し
ていった。


白い塊、それは雪だった。

僕はその下に埋まっていたのだ。


それは冷たかった。

そして光は温かい。


「これは春というやつか...」


また少年の

あてのない旅が始まった。
| ある少年の旅物語 | 23:55 | comments(0) | trackbacks(0) |
雪の底

すっと

息を止めて。


身体が柔らかくなるイメージを頭に描き。


足元から融けて雪の底へ。


音は雪の結晶に当たってカラカラと反響している。


見上げて見えた太陽は

水面からのそれと似ていたけれど

より、温かく

いとしく見えた。



| ある少年の旅物語 | 16:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
侵略者


絶えず攻撃は続いているのだ。


サラサラと浸透するように攻めては

ザアザアと打ちつけるように攻めては


突如冷たい壁面に現れ

空気中にモヤモヤと溶け込んでも見せる。


絶えず攻撃は続いているのだ。


ただその攻撃は

数百年の時をもって完了するから

未だ誰も攻撃だとは...


つゆ知らず。
| ある少年の旅物語 | 23:55 | comments(0) | trackbacks(0) |
空センチメートル

さて今日も測りましょう。

まだ誰も測り終えたことのない

空の長さを。

1、2、3、4...センチメートル

5、6、7、8...センチメートル。

しかしあっという間に
夕方になってしまったから

今日の計測はここまでですよ。

14、15、16...センチメートル

ほらやっぱり見えなくなったでしょ。


夜が再び1センチメートルずつ消していく...


さぁまた明日

1から数えましょう。


| ある少年の旅物語 | 23:55 | comments(0) | trackbacks(0) |
りんごを食べたから

食べてはいけない果実。

ココではないどこかへ行くために

手を伸ばし口に運んだ。


すると見ていた世界は消え去り

暗く、しかし欲望に溢れた魅力的な

世界にたどり着いた。


後戻りはできない。

ヘマをしたら

今いる世界からも追放される。


右も左も分からないが

不可思議な術で出来ている町を

歩いて見るしかなかった。


| ある少年の旅物語 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
上空1600mmからの視点

上空1600mmからの視点。

1mmの砂つぶの降り積もった辺りを

飛び

それよりいくばくか大きいであろう

生き物を探すが

高度が高すぎて

手も届かないし

目も届かない。


「高度毎秒10mmで下降します」


伸びきった背筋を曲げ

今一度良く目をこらす。



| ある少年の旅物語 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) |
光が全てを変えた

太陽がその役割を終えて

ヒトがその代用品を用意した。


政治家は昼が長い方が良いと言い

夜は可能な限り短くなり

本当の闇夜もなくなった。


ヒトは長い昼に、働き、遊び、

明るい夜に僅かに眠った。


虫たちは知らぬ間に

闇夜を作るかのように暗がりに消えた。


やがてヒトは自分たちの光を

崇め奉り始めたが

新しい神は現れなかった。


自分たちで作った太陽は

ただ無機質にヒトの行いのみを照らし続けた。


闇は静かに深みを増していった。

| ある少年の旅物語 | 23:40 | comments(0) | trackbacks(0) |
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