トコトコ…トコ。
どこまでもつづく道。
旅を続けていると
どうしてこの道を歩いているのか
急に分からなくなった少年は
少し不安になった。
すると
ちょうど、まるで地面の一部になってしまったかのような
鉄の顔のおじいさんが足元から話しかけてきた。
「若造ずいぶんひどい顔をしとるな」
少年は、たった今考えていたことを話してみた。
「そうかそうか。」
「ワシを見てみろ。昔、頭の中はカラッポじゃった。
しかしな、いつもアレコレ考えを巡らせていたら
いつしかそこに小さいがひとつの世界が出来たんじゃ」
見ると頭の部分には、草やコケが生え虫がピョコピョコ歩いていた。
「つまりはそういうことじゃ」
??。少年は今はまだあまり意味が分からなかった。
でも小さくうなずいて
また歩き始めた。
トコトコ
トコトコと